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第39話 ティナの羽とサウナ

last update Последнее обновление: 2025-06-16 04:01:41

「エリンシア様、いつもの薬湯でございます

それから、しばらく温泉地などで療養はいかがでしょうか?」薬師が心配そうに言うが

エリンシアは微笑して首を横に振る。

都を離れる事は王が許可しない、許すはずもない…。

アーサーの妻にはなったが、巨人族にとっては

本来、魔法が使えない種族である巨人族に

血が混ざる事により、僅かであるが、魔法が扱える子孫を

与える存在の種族のエリンシア

逃亡の恐れのある離れた療養地など、当然ながら許すはずもなかったのだ。

「エリンシア様、では、良い設備の小さなサウナでも作りましょうか?」

使用人の一人が心配そうにエリンシアに問いかけた。

「……」

屋敷にサウナなどを持つ者達も少なからず居る。

当然ながら、裕福な者達だが

冬の長い地である、此処は作物の為に温室は多くあるが…

其れらの温室の装置を増設して、サウナの動力源とする事が多い

共同浴場ではサは良く設置されている。

サウナの増設の費用もだが

動力源はマキなどか、火の魔法の石を使う事になる。

動力源は…この地では高価なもの

エリンシアの膝に甘えている自分の子供のティナを見る。

「あ〜ま、ママ」

まだ、たどたどしいが、話しだすティナ

この冬の地の者であるアーサーと

暖かな温暖な地の者であるエリンシアの子供

気候の厳しい冬の地で

エリンシアの体質を受け継いでいるならば

幼い身体ゆえに、ティナにもサウナはあった方が良いだろう

エリンシアの独断、判断でなく

本来、高価なサウナについては夫のアーサーに

相談しなくてはならないのだが…

廻りの勧めで小さなサウナを作る事にしたのだった。

しばらく後に出来上がりのサウナに

エリンシアとティナが入る。

思った以上の快適さに心地よさに

ほっとため息が漏れだすエリンシア

「きや、きや」楽しいそうにティナは転げ回ってたが

小さな背中が淡く光を放ち

ティナの背中には純白の愛らしい白い羽が!

そう、エリンシアの子供なのだ。

しかし、王に知られたら、ティナの羽は

エリンシアの羽と同じように切り落とされる

可能性、危険性があった

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